第1章

4/9
前へ
/10ページ
次へ
その子猫は、少しの間スポイトでミルクを飲み続けていた。 体はみるみると大きくなり体重も重くなっていた。 気がつけば自らミルクを飲めるようになった。 それから家族が増えた少年の家庭はより一層賑やかになった。 しかし……ある事故が起こったのだ。 少年の父親が仕事に行こうと玄関を開けるとバッと元々いた猫『ウォッカ』が外に逃げ出してしまったのだ。 実はその猫は、父親のお得意様からもらった猫で少年の兄がとても可愛がっていたのだ。 しかし少年の兄は大学生になり家を出て、母方のおばあちゃんと共に東京の方に住んでいた。 逃げてしまったものは仕方が無い。 父は兄に電話をするが兄からの答えは底無しの怒り。 そこから少年の家族は、輪を乱していったのだ。 何かとイライラしてしまう居心地の悪いリビング。 少年も、だんだん部屋にいる時間が長くなる。 そんなある日 兄がふらっと家に帰ってきたのだ。少年は中学に行っていてそんなことは知らなかったのだが…… 少年が家に帰るとそこには一匹の猫『ウォッカ』の姿があった。 しかし玄関には『ジン』が閉め出しを食らった状態だった。 話を聞くと、兄に気がついたのか『ウォッカ』はふらっと家に帰ってきたらしい。猫も飼い主に似るらしい。 そこで思いも寄らない行動を『ジン』は取ったらしい。 『ウォッカ』に噛み付き殺し合いの喧嘩を招いたそうだ。 元々いた『ウォッカ』がいなくなったおかげで自分が天下を取れたのだ。 しかし『ウォッカ』は帰ってきた。 それから更にこの家庭は壊れていく……
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加