第1章

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玄関すぐのドアを堺に2匹をバラバラにした。 初めはリビングに『ウォッカ』玄関に『ジン』だった。 しかし『ジン』は、その日以来少年達の言うことをきかなくなってしまった。 それで一番困ったのは排泄だ。必ずトイレにしない。そんな事を約半年かそこらは続けていた。 堪忍袋の緒が切れた父は『ジン』を外に放し飼いすると言い出した。 少年は、否定した。 外に出ればどんな事があるかわからない。 野良猫との喧嘩、ウイルスや病気、そんな事を例に挙げて父親には向かったのだ。 もちろん敵う訳が無い。 捨てる 少年はその時、本気で父親を恨んだ。 それからというもの平和だった。 朝、学校に行くため外に出ると必ず『ジン』はこちらに擦り寄ってくる。 とても可愛かったのだが半月ほどで段々鬱陶しく感じてきてしまった。 この感情が今後少年を苦しめる事になるとは思いもしなかった。
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