第1章

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気が付くと瞳孔は開き心臓が止まっていた。 その時母は、兄や父に連絡してたのかもしれない。 祖母が心臓が止まってる。 そう言って医師を呼んだ。 しかし医師は、ここまで来たから蘇生薬でも蘇生する見込みはほぼ無いと言う。 そこに帰ってきた母は、やはりか……という顔をしてるように見れた。 でも無理でもお願いいたします。 祖母が言った。 それから蘇生手術が始まった。 小さな体に4、5人の医師が集まり蘇生手術がおこなわれていた。 少年は目を逸らしていた。見ることができなかった。 それから5分くらい経った、医師の表情には諦めの表情が見受けられた。 腹が立った 「もういい!静かに眠らせてあげろよ!」 少年は、喉まで来た言葉を呑み込んだ。 さらに5分くらい経ってから…… 『ジン』は息を引き取ったのだ 少年は黙り込み一言も言葉を発せず涙すら流すことはなかった。 10分くらい待たされて見た子猫の姿はほぼ全身をタオルケットに包んだ綺麗な猫だった。 死因はウイルスだという。 野良猫との喧嘩の際感染したのだろうと。 そこで初めて少年は涙を流した。 申し訳なさと自分への憎悪が頂点に達したのだ。 『ジン』を家に連れて帰ることになった。 祖母と少年は自転車、母は徒歩のためカゴなんかに入れたら可哀想という理由で、母が連れて帰ることになった。 その時少年は、その役を買って出たかった。しかし今更飼い主ヅラする事は失礼だと思いその場を退いたのだ。 わざと遠回りをして、子猫から離れゆっくりとペダルをこいだ。
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