第1章

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黙々と品だしをする。 頭は仕事以外の事で一杯になる。 私、好きな人がいたんだ。叶わない恋だって知っていたけど、大好きな人だった。 ささやかなやり取りが幸せで、穏やかで優しい気持ちになれた。 大好きだった。 100%叶わない。 それでも恋してた。 凪いだ海の様なその人が、とても大切だった。 でも。 忘れなきゃならない時が来て…。 忘れなきゃ。 忘れなきゃ。 呪文の様に唱える。 唱えていたら、 宗さんがいた。 代わりの恋。 忘れるための恋。 私、何やってんだろ…。
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