ぶさいく王様

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 ある星に、王様がいました。  王様はその星の中で一番偉いから、みんなに「王様」と呼ばれています。 地球が一回転するうちに三回くらい回転する小さな星ですので、その星に住む人は地球の半分の半分の半分くらいしかいませんでした。 でも王様は、自分がどこの誰よりも偉くて優れているんだと考えています。  おかしな話ですね。  だって、王様は地球の半分の半分の半分くらいの人を、全宇宙のすべての人間だと早合点しているのですから。  でも王様も、その星の人も、誰も星の外の世界は知りませんでしたから、やっぱりみんな王様のことを「王様」って呼ぶんです。
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