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「では、家に帰ってから旅行の計画はゆっくり考えますか?」
私の頭を撫でながら、いつもより目を優しく細めて微笑んでくれた。
「はい!
あっ、忍さん、夕ご飯は何が食べたいですか?
帰りにお買い物して帰りましょ?」
「今日くらい外でもいいですよ?」
「いいんです、私が作りたいんです!」
「…じゃあ、一緒に買い物をして帰りますか?」
「はい!」
大人な彼とまだまだ子供な私。
人から見たらアンバランスな二人かもしれないけれど、彼は私のことをちゃんとかけがえのない存在として大切にしてくれる。
最高に幸せだったんだ。
この時までは。
私なんかでも忍さんの恋人としてそばにいてもいいんだって。
その自信を忍さんが作ってくれたから。
………うん、この時までは。
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