COLD LIMIT

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気が付くと、薄暗い夜道を一人歩いていた。 体のそこらじゅうが痛かった。 口元が塩辛くすごくかゆかった。 目元は痛かった。 寒くて、手や肩が震えていた。 星の光が、行く先をはっきりと示していた。 「ああ、きっと、悪魔が僕のことを見ているんだ。悪魔の仕業なんだ。父さんや母さんのあれは本心じゃないんだ。いつか、わかってくれる。」 「このまま歩き続け、世界を一周したらまた戻ってみよう。そしたらきっと、立派になってるよ。」 「僕が、あの場所や人、家族が大好きなのはたった一つ信じられる、この世の事実なんだから、これがあればきっと大丈夫!」 青年は、通りかかった村々で翼をもつものを見つけては、むしり取り、衝動に任せて食べた。 青年の髪の毛は、翼をもつものの返り血で、紫色に染まっていた。 そんな旅を続けるうちに「怪物」として賞金を懸けられるようになった。 今は、山奥で追いはぎをするようになった。 このころ、孤独に蝕まれ、恨みの塊となっていた。
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