0人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付くと、薄暗い夜道を一人歩いていた。
体のそこらじゅうが痛かった。
口元が塩辛くすごくかゆかった。
目元は痛かった。
寒くて、手や肩が震えていた。
星の光が、行く先をはっきりと示していた。
「ああ、きっと、悪魔が僕のことを見ているんだ。悪魔の仕業なんだ。父さんや母さんのあれは本心じゃないんだ。いつか、わかってくれる。」
「このまま歩き続け、世界を一周したらまた戻ってみよう。そしたらきっと、立派になってるよ。」
「僕が、あの場所や人、家族が大好きなのはたった一つ信じられる、この世の事実なんだから、これがあればきっと大丈夫!」
青年は、通りかかった村々で翼をもつものを見つけては、むしり取り、衝動に任せて食べた。
青年の髪の毛は、翼をもつものの返り血で、紫色に染まっていた。
そんな旅を続けるうちに「怪物」として賞金を懸けられるようになった。
今は、山奥で追いはぎをするようになった。
このころ、孤独に蝕まれ、恨みの塊となっていた。
最初のコメントを投稿しよう!