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グリズリーは女性を潰そうとしていて貴咲なんて眼中になかった。
貴咲はすばやく相手の後ろをとり、首に手を掛けた。
「ほいっと」
・・・ゴキッ!!!
「えっ!?」
女性は驚いた。
貴咲は後ろからグリズリーの首を折ったのだ。
それも素手で。
体も大きくなく、それほど力もない。
動きは素人っぽくないが、学べば誰にでもできるような動き。
声も気合とはかけ離れたものだった。
なのに素手でグリズリーの首を折るという、普通ならありえないことを平然とやってのけた。
それを異質と呼ばずになんと呼ぶのだろうか。
女性は呆気に取られた。
そして気が抜けてしまった。
「え?キャーーーー!!!」
殺されたことでグリズリーの重い体重はタワーシールドに支えられていた。
けれど女性は力を抜いてしまったのだ。
支えを失ったグリズリーは女性ごとドスンと倒れてしまった。
幸い、タワーシールドが曲線を描くような形をしていたので圧死は免れた。
貴咲は身動きのとれない女性に対し、自分が見えるところまで移動してから
「ダッサ!」
と鼻で笑って馬鹿にした。
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