第1話 目覚めたらそこは異世界だった。

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グリズリーは女性を潰そうとしていて貴咲なんて眼中になかった。 貴咲はすばやく相手の後ろをとり、首に手を掛けた。 「ほいっと」 ・・・ゴキッ!!! 「えっ!?」 女性は驚いた。 貴咲は後ろからグリズリーの首を折ったのだ。 それも素手で。 体も大きくなく、それほど力もない。 動きは素人っぽくないが、学べば誰にでもできるような動き。 声も気合とはかけ離れたものだった。 なのに素手でグリズリーの首を折るという、普通ならありえないことを平然とやってのけた。 それを異質と呼ばずになんと呼ぶのだろうか。 女性は呆気に取られた。 そして気が抜けてしまった。 「え?キャーーーー!!!」 殺されたことでグリズリーの重い体重はタワーシールドに支えられていた。 けれど女性は力を抜いてしまったのだ。 支えを失ったグリズリーは女性ごとドスンと倒れてしまった。 幸い、タワーシールドが曲線を描くような形をしていたので圧死は免れた。 貴咲は身動きのとれない女性に対し、自分が見えるところまで移動してから 「ダッサ!」 と鼻で笑って馬鹿にした。
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