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「私になにか言うことあるんじゃない?」
なんとかグリズリーの下から抜け出した女性は貴咲に文句を言った。
「・・・ダッサ!」
「違うわよ!2回言わなくていいわよ!!」
「大切なので2回言いました。」
「大切じゃない!!」
貴咲は女性が抜け出すまで待っていた。
それは心配したのか、ただ面白そうだったからなのか。
会話を聞く限りでは後者だが。
「あんたが早く助けなかったから押しつぶされたんじゃない!!」
「僕が助けなければ死んでたし、潰されたわけじゃないでしょ?」
「それはそうだけど・・・。」
「ん?」
「あんなんじゃお礼が言いにくいのよ!」
・・・逆ギレだった。
貴咲はしらねーよと心の中でツッコむ。
「助けてくれたのはありがたかったわ!」
「なんかえらそうだけど・・・まぁいいや。じゃあ死なないように帰れよ。」
お礼を言われたので、貴咲はすぐにこの場から去ろうとした。
早く衣食住を揃えて遊びたいからだ。
貴咲はまったくぶれなかった。
あのグリズリーを食べてもいいと貴咲思ったが、得体の知らないものを食べるのはやはり気が引ける。
だったら街に行って、確かなものを口にしたほうがいいと考えたのだ。
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