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「じいちゃーん。なぁ、じいちゃんっ!!  この写真結構古そうだけど、これ誰ー?」  一人の少年が縁側に座る男の元へと駆け寄ってきた。  じいちゃん、と呼ばれた男は目を細めながら口を開く。 「また懐かしいものを見つけたな。  これは若い頃の私だよ」 「えっ!?  じいちゃん、この頃もすげぇイケメンじゃん!」  少年は驚きの声をあげたものの、何処か納得したような表情でうんうん、と頷いた。 「じゃあ隣にいるのは?」 「お前のお婆さん、だな」 「……なんか、じいちゃんと比べるとふっつーだな。  こんなイケメンだったのに、なんでばあちゃんを選んだのさ」  口を尖らせてやや不満そうな少年の頭を優しい眼差しで見つめながら、男は口を開く。 「彼女だけが本当の私を見てくれたからなぁ」 「どういうことだよ?」  懐かしむように目を細める祖父を見上げて少年は尋ねる。 「お前はみんな自分の外側しか見てくれない、と思ったことはないか?」  そう言われて、少年は眉を寄せる。 「ある……けど……」 「お前のお婆さんはな、  私の外見なんてどうでもいい、興味がない  とまで言った女性なんだよ」  笑いながらの言葉に少年は目を見張って叫んだ。 「なんでそれで結婚しようと思えるんだよ!」  少年の言葉に男は堪えきれないといった様子で笑い出した。
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