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『でもあなたしか知らない秘密を私が知っている。霊が憑いてること、私がそれと話せること、信じてもらえましたよね、ジャンさん』
『霊の名前で呼ぶのかよ。もういいや、分かったよ、憑かれたし。それで、その俺に何の用?』
『呪いを解くには木奉の手紙を……』
『何その旧世代の年伝説!』
『……ではなく祓うんです、もちろん』
『いくらで?』
『私はキュウリのないやつがいいです』
『……分かった、回転寿司だな?』
『そこは、そのいくらじゃねーよ! でしょう。まあいいです。モチのロン、ロハでやらさせていただきます』
もう分かっててボケている! ツッコむ気力もなくなっていた。
『ところでヨハネスブルグさん、今どちらに行こうとしていたんですか』
『学校帰りに図書館寄って、家に帰るとこ』
『では今日の曰付と今の時刻を教えて下さい』
『なんで?』
『それが必要なんです』
『2002年6月19日、時間は、あれ、ケータイが電池切れ……図書館を出た時間から言って7時前だと思う』
『では、上をご覧ください。何か変だと思いませんか?』
『変って……至って普通の星空だけど?』
『それが除霊の鍵なんですよ、柏崎冷也さん
」
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