だから僕はグラスで遊んだ

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宴会みたいな雰囲気の部屋からでた僕は、 オレンジジュースの入った王冠の開いていないビンとグラスを持って、 薄暗くて長い廊下を歩いていた。 周りのでっかい声で笑ってる親戚の知らない人達が、 五歳のお兄さんになった僕はなぜか怖い。 そんな他の人からみるとビックリするくらい人見知りの僕は、 わざわざ自分の親にオレンジジュースの王冠を開けて貰おうとして、 ギイギイと廊下の木の板を踏み歩いていた。 皆が宴会みたいなのをしてる部屋に僕の親はいなかった。 少なくともお父さんはあの部屋にいるからいいとして、 お母さんは何処にいるんだか検討がつかない。 それによく考えたらお父さんは、お病気のせいで切りはずしたので、 腕なんて持ってなかった。 なので必然的に僕が探すのはお母さんになっていいるわけで、 「……いない。」 探せど探せどみつからなかった。 宴会みたいなのをしていた部屋の裏側。 台所みたいな所に行ってみた。 知らないおばちゃんばっかりがいて、 お母さんはいなかったから僕は気付かれないようにそっと出ていった。 ちなみにそのあと、 なんか知らないけど焚き火をしてる部屋やら、 教会みたいに椅子が沢山あって沢山のおじいさんがお話している部屋に行ったり、 女の人用のトイレにいったりしたけど 結局お母さんはみつからなかった。
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