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「…お父さーん、お母さんいなーい。」
手を上に伸ばしてやっと届く位置にあるドアノブを回し、
僕が次に入ったのはお父さんのいる部屋だった。
「あら、ゆうちゃん。
お母さんならここにいるわよお?」
「あれ、お母さんいた。」
その部屋はお父さんの趣味のせいかUFOみたいな青い光が小さく光っているだけの真っ暗な部屋だった。
あとお病気のお父さんのために物凄く冷房が利いていた。
正直寒い、
そんな部屋で半分黒い服が脱げたお母さんは寝ているお父さんの上に乗ってちゅーをしていた。
「どうしたの?
お母さんがいなくて寂しくなっちゃった?」
汗だか寒さで出来た水滴だかわからないけど、
それのせいで長い髪が顔とか首筋とかおっぱいとかに張り付いたお母さんが、
邪魔な髪の毛を後ろに束ねるみたいにどかした。
そんなよくわかんない感じに綺麗なお母さんは、
お父さんから降りると
僕の後ろで開いてるドアを閉めて、座り込んだ。
「ううん、ジュース開かないの。」
僕は空のグラスを口に当てて、息を吸って、
手を使わずにグラスを口にくっ付ける遊びをしながらお母さんにオレンジジュースのビンを差し出した。
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