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千咲の自宅まで、ナビにも頼らずにスイスイと運転するシズカ。
「そう言えば、シズカ、千咲の連絡先知ってたの？」
そう聞けばハンドルを握る手がピクッと反応した。
「この前、俺に連絡先聞いてきたけどさ………。
あの後、連絡取れたんだ？」
ウィーン滞在中に焦ったように俺にかかってきたシズカからの電話。
『千咲ちゃんの連絡先教えて！』
と言われたけど………。
ほら、今、個人情報保護法とかあるしさ。
むやみに他人には教えられないと言うか………。
イケメンシズカには教えたくないと言うか………。
「あ、あぁ。そんなこともあったわねぇ。
あれから色々あって、どうにかこうにか連絡先分かったから！
それより智志！
お土産ありがとうね～」
………なんだか話しを逸らされた感があるんだけど。
訝しげにシズカを見れば、サッと視線を逸らされる。
アヤシイ。
「ほ、ほら！
智志がウィーンに行ってる間、桜ちゃんと一緒にうちのお店に来てくれたのよ。
それで、まぁ、そういうこと」
「なるほどね」
だからシズカも桜さんのこと知ってたのか。
千咲のヤツ、桜さんとMoon blossom行ったんだ………。
桜さんとなら、まぁいいか。
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