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……私が意識を取り戻すと、そこは見知らぬ場所だった。
冷たい床、それから開かれたマシンの扉がある。
「動くな!」
突然聞こえた警告の声。
古代言語だ。
身体が、重い。
いや、単純に重力が強いのだ。
目の前には銃器で武装した数人の兵隊と、それから白衣を着た男達が見える。
どれも旧時代の資料にあった服装だ。
これが、外側の世界の連中か。
私は彼らの警告に従い、手を挙げ、それからそっと地面に腰を下ろして、言った。
「撃つな。敵意は無い」
だが、彼らは撃ってきた。
轟音が響き、私に複数の殺意が迫る。
私はそれらを全て認識し、それからそれらに触れないように身体を翻させた。
どよめいている人々。
当の私も、自分に驚いている。
と、私のすぐそばに、何か、偉大なものの存在を感じた。
『ミシェル。私が手を貸そう。我々は彼らが作ったグラスの中で生まれ、そこから飛び立った鳥だ。何人にも脅かされてはならない』
私の背中に、羽が生えたような感覚があった。
守護者だ。
一緒に着いてきてくれたのだ。
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