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――目を覚ましてからも頭がぼんやりする、動きたくない。
ベッドに身体を横たえたまま、寝るわけでも無いのに目を閉じたり開いたり。
勝手に耳に飛び込んで来るのは、外を通り過ぎる車の音。誰かの楽しそうな話し声。何処か遠くからは祭りに向けて練習しているのか、太鼓なんかも鳴らされていた。
肌にまとわり付くみたいな7月頭の生温い風が、開けたままの窓の隙間から滑り込んできて。ぬるりぬるりと這い回る。
それでも放り投げるみたいにした手足を動かす気にはならない。
その程度の不快感じゃ、私が心の中に溜め込んだモノには全然届かなかった。
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