舞園 夏希に希望はない

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午前7時。 クーラーの涼しい人工風が充満する暗い部屋。 ロールカーテンで遮れない程の陽光が俺をつつくせいで目が覚めた。 「────はぁ……」 夢に魘されていたのか、寝汗で肌がペタペタと気持ちが悪い。 自然と出た溜め息は、ハンガーに掛けてある中学の制服へと吸い込まれる。 あれに袖を通さなくなってから……いや正確には学校へ行かなくなってからか、今日で67日目。 すっかり不登校が常になっちゃったな。 渇ききった苦笑が勝手に漏れて、俺は自室を後にした。
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