舞園 夏希に希望はない

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「おはよう夏希、いってきます!!」 「あー、おはよう、いってらっしゃい」 これから出勤なのか、元気と笑顔一杯の母親を見送り俺自身はシャワーを浴びる。 何故、お母ぁはあれほど笑顔を振り撒けるのか。 夏も到来した7月だと言うのに、元気すぎるのではなかろうか。 俺にそこまでの明るさがなんで備わってないのか。 ……俺が感じてる世界なんて灰色だと言うのに。 それを超して真っ黒かもしれないというのに。 シャワーから出てくる水の弾ける音を意識すると、不思議と落ち着きを覚える。 すっきりと汗を流し、お茶を飲み干してから、熱気から逃げるように二階の部屋に退散した。 そこは暗くて、明かりなんてなくて、静かで 涼しくて、なんでもあって 快適な部屋。 俺を掴んで放さない。
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