小島なお虹色短歌

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南船  7月号 11 日向夏5キロ頂く曇る朝心は晴れて初夏を味わう 12 下りゆく通勤の車列の女坂上りのバスには乗客ひとり 13 頭上をば群れ交うツバメの一羽なる影がわが身を突き抜けゆけり 14 病院は管に繋がる人多く点滴袋ひきずりていく 15 川沿いの小路をゆけばセキレイの尾っぽが招く「ここまでおいで」 16 心経の一冊のみがぼろぼろに悩める胸のゆがみのように 17 われが行くマートの屋根に霧たてば増税嘆く息と知りませ 18 妻が湯にわれがコーヒー立てる役いつもの朝のいつもの嵌め絵 講評 13 {群れ交うツバメ」の俊敏な動きを提示してその「一羽なる影」の瞬時の鋭い動きを体感的に捉えている歌「わが身を突き抜けゆけり」はシュールな表現だが感覚的なリアリティーがある。
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