5人が本棚に入れています
本棚に追加
南船 7月号
11 日向夏5キロ頂く曇る朝心は晴れて初夏を味わう
12 下りゆく通勤の車列の女坂上りのバスには乗客ひとり
13 頭上をば群れ交うツバメの一羽なる影がわが身を突き抜けゆけり
14 病院は管に繋がる人多く点滴袋ひきずりていく
15 川沿いの小路をゆけばセキレイの尾っぽが招く「ここまでおいで」
16 心経の一冊のみがぼろぼろに悩める胸のゆがみのように
17 われが行くマートの屋根に霧たてば増税嘆く息と知りませ
18 妻が湯にわれがコーヒー立てる役いつもの朝のいつもの嵌め絵
講評 13
{群れ交うツバメ」の俊敏な動きを提示してその「一羽なる影」の瞬時の鋭い動きを体感的に捉えている歌「わが身を突き抜けゆけり」はシュールな表現だが感覚的なリアリティーがある。
最初のコメントを投稿しよう!