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( ・∀・)「……え?」
高すぎない、落ち着いた響きを持った女性の声。
描いた「彼女」にぴたりと当てはまるような声が、彼の名前を呼んだ。
その声が鼓膜を震わせてから少し経ち、それが後ろから聞こえてきたものだとモララーは理解する。
見えない糸に引かれるように、モララーは振り向いた。
('、`*川「……モララー」
栗色のロングヘアー。
グレーのワンピースに身をつつんだその人は、「彼女」そのままの姿をしていた。
( ・∀・)「え、あ……?」
その瞬間、目の奥で何かが弾けた。
言葉にならない思考が濁流のように押し寄せ、目が眩む。心臓の音はやけに大きく聞こえ、冷たい汗が首筋を伝った。身体中が固まり、その場から一歩も動けない。ただ、ひゅうひゅうという自分の呼吸の音だけが聞こえる。
違う。
描いた彼女が、この世界に現れたわけじゃない。
僕は、「彼女」を知っていたんだ。
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