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('、`*川「あのね、雑誌を見て貴方のことを知って。だけど勇気が出なくて、話しかけられなかったの……」
ぎこちなく笑いながら「彼女」はモララーに話しかける。
モララーは一度ゆっくりと息を吸い、乾いた唇を動かした。
( ・∀・)「……母さん」
口から出た声は、まるで他人のもののようだった。
ずっと、忘れていた。
忘れたくて、記憶を封じ込めていたのだ。
幼い頃、モララーは「彼女」に捨てられた。
それは彼女がまだ若かったとか、夫も逃げてしまったからだとか、色々な噂を彼は聞いていた。
「彼女も辛かった」「貴方は悪くない」。色んな言葉がかけられた。
そんなこと、どうだっていい。
自分は、母親に捨てられたのだ。
幼いながらに母親の記憶は微かに残っており、それは彼を苦しめた。
思い出す度、胸が張り裂けそうに痛んだ。痛みで涙を滲ませながら、彼は思う。
こんな記憶なら、いらない。
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