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('、`*川「ほら、この前貴方と目が合ったとき、私を追いかけてくれたでしょう?あの時はつい、びっくりして逃げちゃったけど……で、でもね、嬉しくて。すごく」
よく見ると目の前の「彼女」は、目尻に皺が出来ていた。ハンカチを握りしめる手も記憶よりずっと筋張っている。
当たり前だ。これだけ年月が経ったのだから。
訥々と語る彼女の言葉を遮るように、モララーは声を出した。
( ・∀・)「帰ってください。そして、二度と僕の前に現れないでください」
('、`*川「……え?」
彼女は言葉を途切れさせ、呆然とした表情でモララーを見つめている。
モララーは、表情を少しも変えない。
( ・∀・)「帰ってください」
彼女の大きな瞳が揺らぐ。聞こえてくるのは「どうして」やら「なんで」という戸惑いの声ばかり。
胸の奥に溜まったドロドロとした汚い何かを吐き出したくなり、モララーは胸元を押さえる。
( ∀ )「……帰れよ」
ポツリと溢れでた低い声を聞いてビクリと身を震わせると、彼女は走り去っていった。
「さよなら」も、言わないまま。
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