( ・∀・)彼女は存在しないようです

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( ・∀・)「ありがとうございます。この女性は、僕の理想なんですよ」 ( ´∀`)「ほう、そうなんですか」 頷く男の好奇に満ちた表情を見て、モララーは慌てて言葉を付け足す。 (;・∀・)「ええと、他の所でも話した事があるのですが……いわゆる異性として好みのタイプだとか、そういうことではないんです。ただ、人間として素晴らしいと思える人と言いますか」 ( ´∀`)「ああ、なるほど。そうでしたか」 この絵のモデルが実は恋人ではないかなどと勘繰られることは避けたかった。 説明を終えると、モララーは僅かに眉尻を下げる。寂しげではあるが、穏やかな笑みだった。 ( ・∀・)「まあ、彼女は存在しませんが」 そう、モララーはモデルを見て描いたわけではない。 ただ頭に浮かんできたイメージをなんとか表現しようと、必死に筆を動かしたに過ぎなかった。
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