非常階段を駆け上がって

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「ラジオ体操サボリ記録、更新。……ほんとに、もう」  母のため息に胸が痛くなる。 「お母さん、用事で出かけるから。帰り、遅くなるかもしれないわ。お昼はそうめん、自分でできるわよね? あんたももし出かけるんなら、戸締りだけはしっかりしてちょうだいね」  母の足音が遠ざかるのを、息を潜めて待った。  少しして、ガラッと玄関の戸が開き、閉まる気配があった。  のり子はふとんから顔を出した。  涼しい。  そう思ったのは一瞬のことで、立ち上がると、部屋の中にこもった熱気がのり子にまとわりついてくる。
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