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「い、いいよ」
好意的な言葉と裏腹に、よそよそしい態度。
のり子がケイコから離れると、運動神経抜群で、クラス内でリーダー格の女子のミカがケイコの隣に立った。
「何しゃべってんの?」
のり子には、その一言だけが聞こえた。
その日を境に、のり子はクラスの女子のあいだから孤立していった。
朝、学校に来てみると上靴がゴミ箱に捨てられていたり、水泳の時間に、わざと突き飛ばされてプールに落ちたりもした。
国語の授業でのり子が音読をすると、女子たちはクスクス笑った。
休み時間も、のり子が近くを通るたび、にやにや笑い、小声で何かを言う。
そのくせのり子がその女子を見ると、急に無表情になり、黙り込む。
何かを言うとすれば、「こっち見ないで」というセリフ。
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