非常階段を駆け上がって

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 クラスメイトの女子たちがこんな態度を取るようになったとき、のり子は真っ先にケイコに助けを求めた。 「ケイちゃん、私、何か悪いことしたのかな。なんでこんなことになったのか、知らない?」  ケイコがのり子に言ったことはひとつだ。 「話しかけないで」  ケイコから何か言われたのか、ナオコものり子から離れた。  夏休みが始まるまでのあいだは地獄だった。  そうめんを食べ終えたのり子は、部屋に戻って宿題を進めることにした。  算数のドリルを解く。  1問解いてはケイコの顔が浮かび、また1問解いてはナオコの顔が浮かぶ。  算数の問題を解くことはできても、友情が壊れた理由はわからない。
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