Part 1

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「いい被写体だ」 朔也は、 え、と言う風に首を傾げ、 隣を歩いている友人のピエールの視線の先を追った。 「Japoneだろ?」 ピエールはそう言って両手を前に出し、 指をL字型に組んでみせ小さな枠を作った。 焦点を合わせるように、 その指の間を覗いている。 朔也はその枠の向こうに見える人影に目を凝らしてみた。 その中に、少女がいる。 腰まである長い髪、 少し上を向いて瞳を閉じている白い横顔、 それらがこの夏の暑い日差しを受けてキラキラと反射していた。 周囲の喧騒からかけ離れて、 そこだけがポッカリと他の空間を作っているようで、 軽爽とした静かさがあった。 不意に、 その静寂が破られたかのように、 その少女が瞳を開ける。
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