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美晴はその言葉を口に出さず、
胸にしまっておいた。
いちいち、
指摘するほどのことでもないだろう。
親切で言ってくれているのかもしれなかったし。
「―――美咲さん。
あなたに電話がきてますよ。
佐藤さんと言う方ですよ」
フミさんが食堂に入ってきて、瑠哀を呼ぶ。
「わかりました。
部屋で取りますから、
そちらに回していただけませんか?」
「いいですよ」
そう言って、フミさんは姿を消す。
「ちょっと、失礼します」
瑠哀は立ちあがり、椅子を押す。
そのまま踵を返して、
静かに部屋から出て行った。
瑠哀が出て行って、
天宮が親しみを込めた目で
朔也に向き合って行く。
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