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「あの……、霞月さんは、 日本にはいないんですか?」 美晴は天宮たちの会話を聞いて不思議に思い、 つい、聞いてみた。 「彼は、フランスにいるんだ。 パリ大学の学生なんだよ」 天宮が代わりに答える。 どうやら、 天宮はかなり朔也の事情に詳しいようだった。 まあ、柊也の親友なのだから、 当然なのだろうが。 「だから、パリで瑠哀に会ったんですね。 でも、なんで、 瑠哀がパリにいたんだろう」 「彼女は観光で来ていたんだ。 二年前にね」 「観光? まさか、一人で?」 「一人だったよ」 「それは――すごいな…」 美晴は不思議そうに天宮を見上げる。 なにがすごいのか、よくわからない。
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