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恋なんて、そんな簡単なものじゃない。
魂が魅かれるほど、
熱い感情だった。
瑠哀はそれを告げるまでもなく、
家に帰らなければならなくて、
そのままフランスを去った。
もう二度と会えないと思っていたのに、
まさか、こんな所でもう一度会うとは、
運命の悪戯とでも言うのだろうか。
初めて柊也に会って、
瑠哀が偶然である――と願ったことは、
すぐに打ち消された。
―――似ている…。
柊也は朔也と違って活発な感じで、
感情の素直な青年だった。
だが、その繊細な顔立ちや、
かもしだす雰囲気が朔也に似ていて、
瑠哀は涙が出そうだった。
これだけ似ているのだから、
偶然などではありえない。
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