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きっと、
朔也の弟かなにかなのだろう
と思っていたから、
もしかしたら、朔也に会うかもしれないと、
頭の隅に微かな予期はしていた。
それも、本当に微かなものだったが。
だが、会ってしまった。
嬉しくない、と言えば嘘になる。
でも、今の瑠哀には、
朔也に近づくことさえ許されていないのだ。
その為に、
全てを捨てて、日本に来たのだから―――
「…久しぶり。
君に会えるだなんて思わなくて。
元気そうで、君が変わってて……。
―――ああ、俺、何言ってんだろう。
支離滅裂だ」
朔也は目を閉じながら、首を振った。
大きな息をつき、膝に手を乗せて、
それで頭を抱え込むようにする。
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