4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぼん、最終日ということで帰省ラッシュがすごいですね。」
今日、特に行く用事も無いためとりあえずテレビをつけてパソコンで検索をかける。逃げだしても現状の解決にはならない。だから外に出ず調べてみることにしよう。
しかし、思い当たるワードや、オカルト掲示板を見たりしたが手がかりは無い。期待はしていなかったがここまでかすりもしないと疲労がドッと出る。
今は大人しいがしきりにテレビのことを聞いていたコイツも疲れた要因なのは間違いない。
「映画。」
ポツリと不思議そうに呟く。テレビを見ると今話題の映画情報を流しているようだ。俺も気になっており、行こう行こうと思っているが観に行っていない。
「箱の中の物語の続きはなんだろう。」
とても掠れた声で呟いた。いや呟いたというよりそう思っているのではないか。コイツはテレビが珍しいのかじっと見つめているが、さらに映画の続きが気になるようだ。
「映画、見に行くか。」
俺が問いかけてしばらくするとコイツはこちらを向き自分に言っているのかと言いたそうに自分のことを指差す。もう一度問いかける。
「この話の続きを観に行きたいか。」
「行く。」
今度は即答してきた。大人しい声ではあったがとても嬉しそうに声をあげた感覚がある。こんな反応をされたらなんだかこちらが恥ずかしい感じがする。
映画を観に行くために身支度をする。コイツは自分の意思ではここから出られないらしくリュックサックに入ってもらう。物理的なものは入っていないはずなのにリュックサックは膨らみ、背負ってみると予想外の重さを持っていた。
「窮屈。」
「我慢してくれ。」
駅まで自転車で移動し、映画館が近くにある駅まで移動する。駅や電車の中は人ごみで溢れ、移動するのが困難難しい。時間が決まっているわけではないのでゆっくり進み目的地に進む。
最初のコメントを投稿しよう!