二度目のプロポーズ

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あいつはひと月前に出て行った。 その日結婚記念日を忘れていた俺は、居酒屋に行き、0時をまわってから帰った。 俺にとっては「それだけのこと」だがあいつにとっては「大変なこと」だったらしい。 あいつを怒らせると面倒なことになるということも知っていたし、しかも今回の事は俺が悪い。 すぐに謝ろうとしたが、あやまりかたで地雷を踏んでしまった。 いざという時に言い訳してしまう癖があると、昔、世話になった会社の先輩方に言われていたが、その癖が働いてしまったのだ。 月末の会社は忙しくて疲れていたから、ちょっと息抜きしたくなったんだ。 その一言に対する返しは、倍返しよりもっとすごい。 10倍…いや100倍か。 こうなるとあいつにはもう手がつけられない。
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