第1章 始まり

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「おーい」 ん? 「一緒に帰ろうよ」 後ろを向くとイケメンがいた。 「あぁ」 こいつは朝霧和馬(あさぎりかずま)、俺の幼馴染だ。 イケメンで、成績優秀、運動神経抜群そして正義感も強い。 どうやっても主人公体質でよく厄介ごとを持ってくる。 そして、完璧なのに色恋沙汰には鈍感だ。高校入学と同時にファンクラブが設立されて、積極的なアプローチを受けてなお気づかないほどだ。 鈍感なせいで、一緒にいた俺に飛び火してきたりとか。 ヤンデレっぽい娘が「あなたのせいで私に和馬君が好意を向けてくれないんだ」とかわけのわからんことを言いながら手にハサミを持って襲いかかって来たことがあったっけな。 その他にも正義感が強いせいで、黒服のお兄さんとお話ししてるお姉さんを見て「助けに行こう」とか言って黒服のお兄さんとの戦闘に巻き込まれたりもした。 結局その女の人が借金してたらしいが。 とりあえず最悪だ。 俺は和馬みたいに主人公補正がかからないんだよちくしょう。 しかも最終的にはみんな和馬に惚れてやがるから、完全に貧乏くじ引かされてるよ俺は。
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