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学校も始まり、毎日の流れも再び慣れ始め、今年度も順調に進んでいるはずだった。
「よ…余興?いや…自分は寮が…」
梅雨の鬱陶しい時期に、突如『自分の限界に挑戦したい』と日本を飛び出した先生に代わり、数年ぶりに新任教師が入った為、その先生の歓迎会で余興を頼まれた。
「当日は、絆愛総合警備より10人の褌警備員が来ることになっている。だから心置きなく参加してくれ」
絆愛に教師として勤務する先輩が俺の肩をバンバン叩く。
「でも…」
「また例のアレ、二人でやろうぜ。バカウケだって」
「はあ?先輩…もうこの年でキツイ…無理ッス」
「“先輩”命令な。例のアレでいく。アレと言ったらアレだ」
強引な先輩命令を出され、断ることもできない俺に『ぶちかますぞ』と再び肩をバンバン叩いて先輩は行ってしまった。
「アレをまた?もう40近いってのに…」
ガックリ項垂れながら、俺は重い息を吐いた。
「あの人は言い出したら絶対だからな。夜に探して試しておこう…」
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