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夜―――
「よかった…ちゃんとあった」
押し入れの段ボールを引っ張り出し、中身を確認してホッとする。
「ちょっと筋肉が落ちたからなあ…いけるか?確かめておかねえと」
全てを脱ぎ、ゴクリと唾を飲み込むと、腹を決めて取り掛かった。
「おっ…思ったよりスムーズに」
意外とすんなりおさまり、姿鏡を見る。
「筋肉おちたなあ…こんなに柔らかなラインになっちまってまあ」
残念感と呆れながら、後ろを向き背中を見る。
「うわ…背中も落ちてるなあ…なんだこのケツ!こんな丸みは昔はなかったぞ。それにしても足はまあわりとイケて……はうわっ」
顔を戻した俺は、目の前で目が点になっている春日と目が合った。
「な…なんで…」
「ノックして声をかけたのに返事がなくて…タイシさん倒れてるんじゃないかって」
「だ…大丈夫だから」
とりあえず顔を隠し後ろを向く。
「こんな趣味があったんだ…」
「ちが…趣味とかじゃ…」
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