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じっと見つめる目の強さに、突き飛ばそうにも躊躇してしまう。
「だって俺………初めて会った時から、タイシさん好きッスから」
頭がクラクラする。
何を言ってるんだ、こいつは…
「ふざけるな!俺と春日は親子と言ってもおかしくないんだぞ!ましてや…男同士だ」
「そりゃあそうですね。タイシさん、いくらセーラー服着ても、その体じゃ…ましてやその逞しい肩幅や下半身じゃ男にしか見えませんよ」
『ぷふっ…』と吹き出す春日に、俺はでかい体を小さくする。
「タイシさん…好きです…大好きです」
春日がぎゅっと背中から抱き締める。
俺より細くて小さいくせに、変に落ち着いている様子が気に入らない。
「俺は、男は対象外だし、ガキはもっとありえねえよ」
一瞬、“ガキ”と発した時、春日の体が揺れた。
顔は見えないが、落ち着いているようにすら見えた、俺よりまだまだ頼りなく見える細い腕が細かく震えている。
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