~・尻の上にも三年・~

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春日は顔を上げると、いつの間にか俺の後頭部へ回していた手を、グイと自らに引いた。 「………っ!!」 重ねられた唇の熱が、かつての記憶を思い出させる。 俺だって、体の関係はなくとも、接吻の経験くらいはある。 だから… (接吻なんて、何年ぶりだろ…) 「タイシさんの唇…柔らかい」 少年らしい幼さの残る笑顔を見せられ、怒りたくても怒れない。 「俺のファースト・キスだから…タイシさん責任重大だ♪」 「あのなあ…勝手にしたんだろうが」 「うん…タイシさん好きだから…」 ギュッとしがみつくように俺を抱き締める春日に、いい年をして少しキュンとなる。 (ヤバイな…可愛いかもしれない) 「タイシさんって、いつもタイシさんの匂いがする」 「加齢臭じゃねえだろうな…臭いのか?」 「全然!磯の匂いかな」 「磯っ!?磯…」
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