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俺の名前は、小徳弘法(しょうとく ひろのり)。
学生時代は空手バカな生徒で、アダ名は“タイシ”だった。
絆愛高等学校を卒業後、空手の腕を買われ、主に警護を主とした警備会社に勤務し、28歳の時に上司の紹介でお見合いした相手と結婚…
…のはずが、結婚式当日、式場に現れた元カレと逃げ出し、あっさり破談。
取り残された惨めさは、どんな慰めの言葉でも埋められなかった。
だが、彼女とはプラトニックな関係だったことが、漢として誇れることだと思っている。
それだけだ。
何もかもが嫌になった俺に、校長より絆愛高等学校の寮の管理人の仕事を依頼された。
(チャンス!)
俺は良い理由が出来たとその話に飛び付き、警備会社を退職し絆愛高等学校にやって来た。
久しぶりの絆愛高等学校は、昔と変わらず威厳と男らしさに満ち溢れていた。
それから何年もの間、寮の維持管理や時に生徒達の我が儘を諫め、時に悩める子羊のようなゴツイ男達を励まし、充実した毎日を送りながら十年近くたった頃だった。
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