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ジン「ちょっと、まった!俺、そろそろ行かないと」
そう言うとジンは剣を鞘にしまった。
父「ん?そうか、今日発つのか。ついにお前も入学する歳か。」
父は剣をしまうと倒れた大木にそっと腰を下ろした。
穏やかな声とは裏腹に表情はどこか暗い。
父「"王立魔法教育学園都市アストレア"。あそこには、世界各国から才を持て余した猛者たちが集まる。この意味がわかるな?」
王立魔法教育学園都市アストレアとは、
世界でもトップスリーに入ると言われるほどの学園。
その知名度は絶大で卒業後の就職先には、
困ることはないと言われている。
ジン「俺の中に流れる英雄の血……。」
父「そうだ。本来、世代が変わるごとに薄まっていくはずの血がどういう神の悪戯か知らんが、お前は俺よりも濃く受け継いでいる。その証拠がその紅い瞳だ。感情の高ぶりと共に紅くなるその瞳は、様々な英雄の力を引き出す鍵となる。だが、その英雄の力を妬むものも少なくない。学園では、絶対にそのことを悟られるんじゃないぞ。常に冷静を保つんだ」
その言葉を聞くとジンは小さく頷いた。
徐々に瞳の色が黒になっていく。
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