1.手紙

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私は、ため息をつきながら、靴箱の扉を閉めた。 ――どうしようかな…これ。 いや、常識的には、この『内村』って人に届けなきゃいけないんだろうけど…。 「めんどくさ…」 そう呟いて、後ろを振り返った時。 ―――ドン! 「っ!」 後ろにいた人に気づかず、私は見事にぶつかってしまった。 「ご、ごめんなさい…っ」 ああ。もう。 ほんと、ついてない…。 痛いし、恥ずかしい。 「大丈夫だよ。坂口さんこそ、大丈夫?」 頭上から聞こえる、落ち着いた男子の声。 名前を呼ばれたけど、その声に聞き覚えは無く、私は顔を上げた。
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