1.手紙

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あれ? 予想に反して、彼はお気楽な声だった。 …怒らないんだ。良かった。 怒られたら、それはそれで面倒くさそうだし。 …なら、失礼な事するなっての。 とりあえず、ホッとして彼を見ると。 なんかポケットに手を入れて、探し物をしてるっぽい。 …えーと。 この時間は、何? 私、ここで待っとかなきゃ? 面倒くさ。 なので、さりげなく後ずさり。 彼が顔を上げてしまう前に、ここから立ち去ろう。 「坂口さん。ペン貸して」 びくっ。 急に上げられた彼の顔。 い、いきなり上げないでよね! やっぱり、私はまだここに居なきゃだったのね。 よかったー。まだ、あんまり後ずさりしてなくて…。 「逃げたりしないでよ?」
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