狼男×吸血鬼 part.1

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保健室の窓から外を見る 今、うちのクラスは体育の真っ最中 羨ましい、な。 私みたいな闇に属するモンスターは、陽射しが苦手 そのなかでも、吸血鬼として出来損ないの私は外になんか出られない。 体も脆い。 弱いを通り越して、脆い。 カーテンの隙間から見つめるのはたった一人。 興奮したのか、犬耳になっている。 尻尾もはち切れんばかりに振られている。 明るい笑顔 太陽をまるごと人にしたみたい ーー・・・格好良いなぁ。 意識しだしたのは、大分前。 まだ高校生活に慣れていないせいで 授業中に気分を崩した。 ーー・・・血が、足りなかったんだけど。 そんな私を彼は抱っこして保健室に連れてきてくれた。 優しくて なのに、恥ずかしくってお礼も言えなかった。
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