第1章

4/24
前へ
/41ページ
次へ
 この世界から見て自分という個人など、どれだけ些細な出来事なのか、そんな事を考えるだけで、足元のベッドは消え失せ、奈落にヒュンッと落ちてしまう様な感覚になる。  ああ、嫌だ嫌だ。もう朝なのだから、気持ちを切り替えなければ・・・。いつものように、スイッチを、オンからオフへ(或いはオフからオンへ)。  ON/OFF  パチンッ  いつも通りの一日が始まる。もう大丈夫。私は罪なき一般市民。常識的な凡人。誰も私に苦しまないし、私も苦しまない。  こうやって生きてきたのだ。今までも、そしてこれからも、これからも? これからも、だ。  パチンッ  パチンッ。  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加