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顔を洗い、歯磨きを済ませ、洗面台の鏡で自分の顔を確認する。この顔にある凹凸で人生が決まるのが世間らしいが、私はその事実を受け入れるのに十年弱の時間を要した。
不思議である。鼻や眼窩、瞼の厚さや唇の位置、その他のパーツも、それはそれは様々な形も大きさもある。だが、それだけだ。
一個人の、更にその顔の、更にその中の耳が多少なり小さかろうが、この世界は見向きもしてくれない。そう思うのが自然な気がしてならない。だが学生時分の級友(女子)に言われたことがある。
「私は自分の腫れぼったい目が嫌いなの。何よりも。だから私は私以外の人間が大嫌い」
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