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「早く行けよ」
「分かったから押すなって」
教室の扉が開く。
叶先輩は、友達に背中を押され、嫌々教室を出た。
「!」
まさか、いきなり女子が目の前にいるとは思わなかったのか、動揺して友達を見る先輩。
あたしは、何も知らないふりをして、その場に立つ。
困ったような表情の後、先輩はギュッと目を細めた。
「好きです、付き合って下さい!」
本当に……言った。
罰ゲームを知っている男子3人は、笑いをこらえている。
計画された、大好きな人からの告白。
そんなの……
「……ハイ」
断るわけがない。
先輩は、「好き」と嘘をついた。
ずるいあたしは、知らないふりをする。
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