先輩、嘘つき。

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*** 「そういや、君……莉々ちゃんは家どこ?」 「えっと、西町……です」 「マジで?俺南町だよ。じゃあ、電車一緒だな」 「はい……」 知ってます、先輩。 「てかさ、よくあんな告白受けてくれたよね?俺、かなり怪しくなかった?」 「い、いえ!全然……。嬉しかったです……」 そう、嬉しかった。 それが、作られたものでも。 嘘でも。 あたしは、あなたのそばにいたかった。 きっと、あの場にいた全員の目に、あたしはみじめに映ったことだろう。 罰ゲームだとは知らずに告白されて、喜ぶ女。 それでも、ずっと好きだったんです。 先輩。
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