7896人が本棚に入れています
本棚に追加
ぎこちなく会話を繰り返し、駅に着く。
隣を歩いたとは言っても、お互いの間は1メートルほど離れていた。
だけど、あたしにとっては信じられないくらい近くて。
……息苦しい。
いつか、肩が触れ合うほど近くまでそばにいける日はくるのだろうか。
そうなったら、きっと、あたしは気が変になる。
改札を通り、駅のホームへ。
先輩と、同じ電車を待つ。
すごい。こんな日が来るなんて。
「えっと、莉々……ちゃん」
気まずそうに、先輩があたしの名前を呼ぶ。
……嬉しい。
「好きだよ。……大事にするから。これからよろしく」
先輩は目を見ず、優しい嘘をついた。
「はい……」
あたしは、涙をこらえながら、じっと先輩の隣にいた。
最初のコメントを投稿しよう!