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緊張して、気まずくて、困るのに、……離れたくないとか矛盾してる。
嘘の告白からはじまった関係だけど、これからもっと……――
「っ――!」
思考が強制的に停止する。
だから満員電車は嫌い。
椅子に座れない日は嫌い。
体が強ばる。
これは、先輩がそばにいるドキドキじゃない。
先輩の制服をつかんで、握り締める。
どうしよう。
声が出ない。
気持ち悪い……!
「っ……」
助けて……。
助けて!
先輩。
「それでさぁ、莉々ちゃんは、……莉々ちゃん?」
ずっと喋っていた先輩が、あたしの顔をのぞき込む。
「どうした?俺うるさ……」
耳鳴りがする。
冷や汗がすごい。
先輩が、あたしに話しかけてるのに、何も届かない。
「――莉々!」
「っ!」
突然手を強く引かれ、一瞬のうちにあたしは先輩の背中に回った。
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