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「大丈夫です……。助けてくれてありがとう……」
「莉々」
「平気ですよ」
心配そうな表情を向ける先輩に、あたしは頑張って笑顔を返す。
きっと不格好な仕上がりだったのだろう。
先輩が、眉を寄せる。
「かわいそうね」
「あんな短いスカート、「どうぞさわってください」だろ」
相変わらず、興味本位の噂話は続く。
やだな。
やだな、やだ……。
胸が苦しい……。
さっきまでは、先輩のそばにいて、すごく幸せだったのに。
今の方が先輩に近いのに、……辛い。
不器用な笑顔はすっかり保っていられなくなり、気づかれたくなくてあたしは目を伏せる。
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